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専門医インタビュー

~膝の痛みのない生活に向けて~ 自分の行きたい場所に行ける幸せをもう一度!

  • 渡邊 丞 先生
  • 医療法人六人会 ロクト整形外科クリニック 理事長
  • 098-878-6910

沖縄県

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1979年京都府生まれ。久留米大学卒。モットーは「患者様の背景を大切にして、心の通った医療を行うこと」。趣味はサーフィン。

この記事の目次

いまや日本は世界一の長寿国。しかし「平均寿命」の長さより、自立して楽しく活動できる「健康寿命」の長さの方が重要になりつつあります。そして、年齢を重ねていくにつれ、多くの女性を悩ますのが「膝の痛み」。中でも、関節の変形や軟骨のすり減りによって引き起こされる変形性膝関節症は、運動意欲や移動能力の低下だけでなく、悪化すると寝たきり状態にも繋がりかねません。このような膝の悩みに、「大切なのは、症状の変化のサインを見逃さないこと」と話してくださったのは、医療法人六人会 ロクト整形外科クリニックの渡邊丞(たすく)理事長。膝の痛みの原因や受診の目安、運動療法、日常生活に支障をきたすような膝の痛みを取り除く効果が期待できる人工膝関節置換術まで、幅広くお話を伺いました。

膝の痛みの原因や傾向について教えてください。

変形性膝関節症のX線

中高年の膝の痛みとして多いのが、変形性膝関節症です。変形性膝関節症は60歳以上の女性で半数以上の人がレントゲン上で変形が確認できる非常にポピュラーな病気のひとつです。原因としては遺伝あるいは生活習慣、あと加齢、体重などがあげられます。特に日本人にはもともとO脚の傾向があり、膝の内側に負担がかかりやすくなるため、変形性膝関節症の大半が膝の内側が強く変形しています。一方で欧米では、O脚よりもX脚の人が多い傾向にあります。これには、恐らく遺伝的要素が関わっているのだと思われます。また、和式の生活様式を中心とした日本の習慣も大きな要因として考えられます。農作業に従事している人などは膝を少しかがめての行う作業が多いため、より負担がかかりやすく変形性膝関節症になる傾向が強いでしょう。

受診のきっかけや症状の初期段階で取るべき行動について教えてください。

一般的には、階段を降りる時やイスから立ち上がったときに痛みの症状が出たのをきっかけに受診されることが多いですね。あと沖縄では、「膝が痛くて正座ができない」とよく聞きます。仏壇の前で正座して手を合わすことができなくなったとか、正座をしたままで歌三線(さんしん)ができなくなったと来院される人も多いです。沖縄の生活には正座がつきものですからね。変形性膝関節症と診断されたら、まずは運動習慣をつけてください。痛みの症状は筋力が衰えた時にあらわれてきますので

無理なくリハビリを進められるよう、
理学療法士がサポートしてくれます

筋力を付けることが重要です。運動はウォーキングだと膝に負担がかかるので、ジムでの筋力トレーニングや水中でのウォーキングをお勧めしています。自転車に乗るのもいいですよ。器具などを使用し、なるべく膝に負担がかからないようにトレーニングしましょう。自分一人で運動を続ける自信がない人は、リハビリ設備が整っていてサポートしてくれる理学療法士のいる専門施設などに通うのもありだと思います。リハビリには手術に代わる治療効果があります。人それぞれ筋力も異なり、曲がる箇所も違います。手術に至らないけれど膝が変形していたり腰が曲がっていたりする人は、ぜひリハビリに取り組んでみてください。


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