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専門医インタビュー

肩が痛む、腕が挙がらない 歳だから仕方がないと諦めず肩の専門医と一緒に治療法を探しましょう

この記事の専門医

福田 昇司 先生

高知県

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日本整形外科学会専門医

この記事の目次

術後の生活、およびリハビリテーションについて教えてください

理学療法士の人に肩を動かしてもらうリハビリ

術後のリハビリテーションは非常に大事です。手術を受ければそれで終わりではなく、手術を受けた後は、ご自分のペースでゆっくり時間をかけてリハビリを行ってほしいと思います。術式によって異なりますが、一定期間装具を使って肩を固定します。その間に、関節が固くなったり筋力が衰えたりすることがあるので、それを予防するリハビリを行います。腱板修復術を受けた人であれば、3カ月程度で日常生活に戻ることができ、4~6カ月後くらいからスポーツを行えるようになると思います。また、全人工肩関節やリバース型人工肩関節を使用した手術を受けた場合、早期からリハビリを開始しますが、4週間程度は装具で固定するので、その間は理学療法士の人に肩を動かしてもらうリハビリなどを行い、術後3カ月後くらいから負荷をかけた筋力トレーニングを始めます。

術後の日常生活において、気をつけることや心がけるべきことは何ですか?

手をつく動作や重い物を持つ動作は、肩に
負担がかかりやすくなります

手をつく動作や重い物を持つ動作は、
肩に 負担がかかりやすくなります

利き腕側にリバース型人工肩関節の手術を受けた場合、術後2カ月くらいまでは、お箸やペンを持つ程度の負荷に抑え、利き腕を使わずに顔や髪を洗うようにしましょう。手術を受けるのは高齢の人が多く、足腰が弱っている人が多くおられます。そのため、リバース型の手術を受けた人には、できる範囲で術後早期から杖を使ってでも歩くようにしたほうが良いと思います。3カ月くらいすれば、色々なことができるようになりますが、それまでの間は物を持ち上げるなど肩を酷使する動作は控えるようにしてください。看護師や理学療法士から、日常生活で行う服の着脱の仕方や、入浴時に肩を冷やさないことなど詳細な説明を受けると思いますが、それらをしっかり守り肩の状態を維持するようにしていきましょう。

現在、肩関節の痛みに悩んでいる人へ、先生からひと言お願いします

肩に痛みがあっても受診するかどうか迷っていれば、アドバイスをもらうつもりで整形外科を受診したほうが良いと思います。五十肩と言われて何カ月も治療を行っても症状が改善せず、MRI検査を受けたら腱板断裂だと分かった人は非常に多くおられます。現在は、検査技術も進歩しており、痛みの原因を特定しやすくなっています。また、痛みの原因だけでなく、患者さん一人一人の症状や年齢、職業などを考慮した治療法を選択しやすくなっています。
特に、侵襲の少ない鏡視下手術は、手術方法が進歩し、術後成績の改善や入院期間もリハビリテーションの期間も短く済むようになっています。肩に痛みがあれば、お気軽に肩の専門医にご相談ください。


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