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患者さんストーリー

病院の待合室で知り合った仲間の話で手術を決心。ひざの激痛がとれ、足がまっすぐに

この記事の患者さん

ひざ関節

小野原 一郎さん・山下 益美さん・福盛 幸江さん

小野原 一郎さん 77歳
山下 益美さん 76歳
福盛 幸江さん 76歳
(写真右から/手術を受けた年齢) 

病名 変形性膝関節症(両足)
衝突事故による膝骨折(両足)
脊柱管狭窄症とすべり症(両足)

治療法 人工膝関節置換術

この記事の目次

03 人工関節置換手術を振り返って

手術前の恐怖心がうそのように、手術はあっという間に終了

山下さん でも、いざ手術をするとなると怖くありませんでした? 私は手術の前日にどういうものがひざに入るのか先生から説明があって、人工関節を持たせていただいたんです。それの重いことといったら、片方で500g、両方で1kgですから。「こんなに重いものが足に入って、本当に歩けるんですか」って思わず先生に聞いてしまいましたから(笑)。それで余計に怖くなってしまって、眠れなくて睡眠剤をもらったくらい。

小野原さん さすがに手術室に入る直前は不安になったけど、手術室に入って全身麻酔をかけられて、目が覚めたら「終わったよ」と先生の声がしたんです。大げさじゃなく、本当にあっという間だった。手術が終わってからも痛み止めを入れていたから、私は痛みもあまり感じなかったよ。

山下さん 手術があっという間に終わるという感覚はその通りね。手術室に入って先生の顔をみたらさすがに覚悟を決めて(笑)、目が覚めてからも遠くのほうで先生の「終わったよ」という声が聞こえたような気がしましたけど、そんな感じで苦痛もなく終わってしまいましたから。

福盛さん 私は近所に住む義妹にだけ手術することを伝えて、あとは無二の親友にも、誰にも「ただの検査入院だから」って言って入院したのよ。手術することを決めてからは主治医の先生を信頼していましたし、何事も起こらず絶対に成功すると思っていましたから。ひざの手術をするなんて知らせるとかえって心配させてしまうでしょう。でも、友人たちが「検査入院にしては長すぎる、どうなっているんだ」って義妹に詰め寄ったそうで、結局わかってしまったんだけど(笑)。

リハビリを乗り越えたら、痛みもなく足もまっすぐに
小野原さんの手術後のひざ。傷跡はほとんど目立たない(座位で撮影

小野原さんの手術後のひざ。
傷跡はほとんど目立たない(座位で撮影)


山下 益美さん

写真上:福盛さんの手術後のひざ。
O脚が改善し、傷口もほとんど目立たない

写真下:山下さんの手術後のひざ。
O脚が改善し、ひざ頭がくっつく

小野原さん 私は手術後もほとんど痛みがなくて、(手術後)3日目からはトイレにも自分で行ったし、リハビリも始めたよ。福盛さんと山下さんはどうだったの?

福盛さん 私は手術した後は、ズキズキするような痛みはありましたよ。

山下さん 私もそう。私は手術してからまだ3ヵ月くらいしか経っていないので、まだ少しズキズキ痛むの。でも、手術前の痛みとはまったく質が違うというのか、手術後の痛みはがまんできる程度のものですから。

福盛さん 手術した直後はひざを曲げるのが怖かった。お手洗いまでは車椅子でつれて行ってもらいますけど、用を足すのは自分でするでしょう。ひざを曲げるのが怖くて、足をまっすぐにしたままで用を足したりして(笑)。それもすぐに慣れましたけどね。痛みもそんなにひどいことはなかったからかもしれないけど。

小野原さん 私もリハビリはひざを曲げることから始めたよ。やっぱり歩くのはきついから早く自転車に乗りたくて、ひざが曲がるように一生懸命やりましたよ。

福盛さん そうね。私も最初はひざを曲げたり、伸ばしたりすることから始めて、それから歩くときには身体をまっすぐにして歩くようなリハビリもしましたよ。私は身体が変形して、腰も曲がっていたから、まっすぐ歩くのは大変なことなんだけど、リハビリの先生がそれはもう厳しくて。せっかくここまできれいに(ひざを)治してもらったんだから、きれいに歩きましょうって。リハビリの時間が終わって、病室に戻るときにやれやれと思ってエレベーター前で姿勢を崩したら、すぐ後ろにリハビリの先生がいて、「気を抜いたらアカン!」って怒られた(笑)。でもそのおかげで退院した後は、友達から姿勢がよくなったってずいぶん褒められました。

小野原さん 福盛さんも足は140度くらい曲がるでしょう? 私もそのくらい曲がるようになりましたよ。

福盛さん リハビリは本当に大切ですね。リハビリ自体は辛いこともありますけど、それを乗り越えたので今は痛みもないし、ちゃんと歩けているんだと思います。

山下さん 私は手術してからまだ3ヵ月くらいなので、いまはひざを曲げられるようなリハビリと、ひざのお皿のまわりが痛かったのでそこをマッサージしていただくような治療をしています。つい数日前から自転車こぎのリハビリを始めたんですけど、最近はひざもすごく曲がるようになって。リハビリをするとよくなるのが嬉しいですね。

手術をして本当によかった!

●手術をしてよかったと思うのは、どんなときですか?

小野原さん 私と福盛さんは手術してからもう2年くらい経ったでしょう、私なんか最近は手術をしたことも忘れてしまうときがありますよ。手術をして一番嬉しかったのは、やっぱり仕事ができるようになったことだよね。73歳まで大工をやって、いまはシルバーセンターの仕事をしているんだけど、仕事は生きがいの一つだから。来年80歳になるけど、まだまだできるよ(笑)。そういえば背も2~3cm伸びた。

福盛さん 私が嬉しかったのは階段の昇り降りが楽にできること。お友達と出かけるのも苦じゃなくなったし、家事も以前のように全部できるようになったから。私は独身だから何でも一人でやるんだけど、お料理なんて出汁からちゃんととってね。手術をして、当たり前のことが当たり前にできるようになったことが何よりも嬉しいの。

山下さん 私も家事が普通にできることが嬉しい。そういえば、この間久しぶりに宝塚に観劇に行ったのよ。私は宝塚が大好きで毎月一回は観に行っていたんだけど、ひざを悪くしてからは主人に車椅子を押してもらうしかなくて。この間は自分の足で宝塚までのあの長い道を歩けましたから、それはものすごく嬉しかった。でも、私の場合はまだ手術後の痛みがあるので、お布団ではなくベッドで寝ていたり、しゃがむのがつらいので畳の生活が難しかったりするから、そこはもっとリハビリを頑張らないといけないかなと思っているんです。

小野原さん 山下さんはまだリハビリの途中だから、これからもっとできることが多くなると思うけど、でもひざへの負担を考えると畳や布団はあきらめて、ベッドやイスを使う洋式スタイルにしたほうがいいみたいだよ。私もベッドで寝るようにしてずいぶん楽になった。

山下さん そうなのね。もっとリハビリを頑張って、主人と一緒にスポーツジムに行けるようになりたいわ。

小野原さん 私も友達と一緒に写真を撮りに行かれるようになったから、手術をして本当によかった。先生に足を向けては寝られませんよ(笑)。

福盛さん山下さん 本当にその通り(笑)。先生にはいくら感謝してもしきれません。

ひざの手術を考えている方へ

小野原 一郎さん

小野原 一郎さん

私は高額療養費制度を使ったので費用的にもそれほど大きな負担をせずに、両ひざの全置換術を受けられました。手術をするのは不安もあると思いますが、立って仕事もできるようになり、激痛もなくなって、手術を受けて本当に良かったと思います。悩んでいる方は連絡してください。いつでも相談に乗りますよ(笑)。

職場での小野原さん(手術後)

職場での小野原さん
(手術後)

手術日 右足 平成21年5月8日
左足 平成21年5月28日
入院 約2ヵ月
リハビリ 手術後3日目から退院するまで、毎日やっていた
福盛 幸江さん

福盛 幸江さん

ひざの痛みはがまんしようと思ってもなかなかできないと思います。私も手術前はキリをもみこまれるような激痛があって、いたるところの整形外科病院や整骨院を訪ねました。それでも治らなかったのに、手術後はうそのように痛みがなくなり、足もまっすぐ、普通に歩けるようになりました。ひざの痛みや変形がある方は、一日も早く手術を決断されたほうが楽になると思います。

手術日 右足 平成21年4月30日
左足 平成21年5月
入院 約3ヵ月
リハビリ 大変だったが、現在はまったく痛くない。リハビリは重要だと痛感している

※平成9年に車と自転車(福盛さん)の衝突事故に遭遇。
 右ひざ骨折、骨盤からひざへ骨移植、ボルト固定(一年後に抜去)。腰や肩の痛みもあった。

山下 益美さん

山下 益美さん

手術前は本当に不安で、怖くて仕方なかったのですが、手術を体験された方の話をうかがうと不安がうそのようになくなって、気持ちがとても前向きになりました。ひざが痛む方は足がO脚に変形していることが多いので、手術をなさったほうがとても楽になると思います。私もいまは手術して本当によかったと思っています。

手術日 右足 平成22年11月10日
左足 平成22年11月26日
入院 約3ヵ月
リハビリ 現在リハビリ中。ひざがだいぶ曲がるようになってきた

※脊柱管狭窄症とすべり症があり、ひざ痛より以前から腰痛に悩んでいた。

01 人工膝関節手術と出会うまで

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