患者さんストーリー
ひざ関節
小野原 一郎さん 77歳
山下 益美さん 76歳
福盛 幸江さん 76歳
(写真右から/手術を受けた年齢)
病名
変形性膝関節症(両足)
衝突事故による膝骨折(両足)
脊柱管狭窄症とすべり症(両足)
治療法 人工膝関節置換術
両ひざの人工関節置換術をきっかけに、同じ病院の同じ主治医の先生を通じて親しくなった小野原さん、福盛さん、山下さん。手術前に感じていた不安は、病院の待合室での患者さん同士の情報交換ですっきり解消できたそうです。同じような痛みを抱え、同じようにつらさを感じられる患者さん同士だからこそ話に説得力があり、納得をして手術に臨めたようです。
●皆さんいつ頃からひざに痛みや違和感が出始めたのでしょうか?
小野原さん 私は大工をやっていて、若い頃から重たいものを担いでいたせいか、40代くらいからひざに水が溜まるようになってね。よくなったかなと思って重いものを持つと、またひざに水が溜まるという繰り返し。マッサージでごまかしていたんだけど、年取ってからはどうにも痛みがひどいので整形外科で水を抜いてもらったら、なんだかわからないけどボロボロの繊維みたいなもんが出てきたんだよ。
福盛さん 私も(ひざに)水が溜まりだしたの。40代の頃からだから、かれこれ35年くらい前から。ひざに水が溜まると足がパンパンに腫れて、歩くたびに重たいのよ。足を持ち上げられないくらい重くて痛くなることが、朝起きたときにそうなることもあれば、少し動いた後に痛くなるときもあって、通院して水を抜いたり、注射をしたりしてもらっていました。
小野原さん 福盛さんは交通事故にも遭ったんだよね。
福盛さん そうなの。14年前に交通事故に遭ってしまって右ひざを骨折しちゃった。ひざの骨が飛んでなくなってしまったので、骨盤の骨をひざに移植するという手術を受けたんです。でもその後のリハビリを我流でやってしまったのがよくなかったようで、10年くらい前に左足がO脚に変形してきて、身体も歪んでしまったのよ。
山下さん 私は5年くらい前からですよ。それまでは何ともなくて、元気にどこへでも行っていたのに、急に左のひざが痛むようになってしまって。そのうち痛くて、痛くてたまらないようになって、あんまり痛いので左足をかばうように歩いていたら、今度は右ひざが痛むようになって。結局右足のほうがずっとひどくなってしまったんです。手術する前には足がO脚に変形して、夜眠っていてもズキズキ痛くて…。足の筋肉をつけるために通っていたスポーツジムの仲間に「歩き方がおかしいよ」って言われるくらいになってしまったの。
●ひざに痛みがあるとどんなことが不自由になりますか?
福盛さん 階段の昇り降りが大変なのよ。私は友人たちとの趣味の集まりや旅行に定期的に参加していて、電車を使って出かけるんだけど、駅の階段を昇るのはなんとかできても、降りるのが本当に大変。小走りもできないし、皆の歩くスピードにとてもついて行かれなくて、手術前はとうとう参加できなくなってしまって。それに私は以前はすごく太っていたんです。太っているとひざに負担がかかるから、よけいに水が溜まるのよね。お手洗いでも洋式じゃないとしゃがまないといけないから、それは大変。趣味で詩吟をやっていますけど着物も着られなかったし…。
小野原さん そう、階段の昇り降りは大変だったね。私は趣味でカメラをやっていて友達と撮影に行くんだけど、一緒に行ってもついて行かれない。先に行ってもらって、後で電話して待ち合わせるなんてことをしていましたよ。あと辛かったのは仕事ですね。ひざに水が溜まっているときはまるで針を刺されているような激痛があるから、高いところにも上がれないし、立ち仕事も辛かったなあ。
山下さん 私は、足に筋肉をつけるとひざの痛みがよくなると言われて、2年くらい前まではスポーツジムに通っていたの。それで少しは楽になったかなあと思っていたんですけど、手術する少し前くらいにガクっとひどくなって、ジムにも行かれなくなっちゃった。
小野原さん だって、山下さん手術前は車椅子に乗っていたよね。
山下さん そうなの。手術する一ヵ月くらい前はもう自分で歩けなくて、病院へも車椅子に乗らないと行けないほど痛みがひどかった。
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