股関節の構造
股関節は、大腿骨の先端にあるボールの形をした大腿骨骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になる深いお椀の形をした臼蓋との組み合わせでできた、いわゆる球(きゅう)関節です。正常な股関節では、寛骨臼が骨頭の約4/5を包み込むことで関節を安定させています。股関節には、普通に歩くだけでも体重の3~4倍の力がかかるといわれています。この力を支えられるよう、股関節は筋肉や腱などで全体を覆われており、安定性を保ったままいろいろな方向に動かすことができます。
股関節の機能を正常に維持するためには、関節の骨に負担をかけすぎないようにしながらも、まわりの筋肉を常に鍛えておくことが非常に大切です。
大腿骨
• 骨頭
大腿骨の先端の丸い部分を骨頭といいます。
• 大腿骨頸部(けいぶ)
骨頭の根元部分を大腿骨頸部といいます。
くびれているため、高齢者の場合、骨折することの多い場所です。
• 小転子(しょうてんし)
大腿骨頸部の下にある小さなふくらみを小転子といいます。
• 大転子(だいてんし)
骨頭の反対側にある大きなふくらみを大転子といいます。
太ももの付け根の外側を押して触れるのが、大転子です。
寛骨臼
• 臼蓋(きゅうがい)
寛骨臼のお椀(わん)状になっている部分のうち、上側を臼蓋、下側を臼底(きゅうてい)といいます。骨頭の3分の2を臼蓋が覆っています。
股関節を動かそうとする際には、股関節周辺の筋肉や腱(けん)が働き、ボール状の骨頭が臼蓋の中をすべり転がります。股関節は前後左右に動かすことが可能です。