関節リウマチ(RA)治療法
(1)基本療法
基本療法は関節リウマチの診断と同時に開始されます。
基本療法は治療の根幹をなすものなので、他の療法を行う場合にも続けることが大切です。
患者教育
関節リウマチは治療を始めた時期や、患者さんによって症状や進行に差のある病気です。同じ薬であっても、効果の程度には差があります。そのため、治療にあたっては症状・予後・治療法・薬の効果などを患者さん本人や家族が知り、十分に理解することが大切です。
※治療中、不安なことや気になることがあれば、医師や理学療法士に尋ねるようにしましょう。
安静
関節リウマチでは、微熱・貧血(ひんけつ)・リンパ節腫脹(しゅちょう)・体重減少などの全身疾患(しっかん)を伴うため、リウマチの活動性が活発なときには例えば昼寝といった安静も必要になります。しかし、全身的安静時であっても、関節可動域(かどういき)を保持するための簡単な運動を1日数回行う必要があります。
運動量の目安は、「翌日に疲れが残らない程度」です。
運動
関節リウマチでは、病気が進行するにつれ関節の軟骨(なんこつ)や骨が破壊され運動機能を制限する症状が現れるようになります。しかし、関節を動かさないでいると関節は固くなり、筋肉は痩せ、骨への荷重をかけないでいると骨からカルシウムが出てしまいます。そのため筋力の維持や、関節可動域の維持を目的とした運動を、自宅や病院で行う必要があります。
運動例:入浴後や温熱療法後などに最大限の屈伸(くっしん)運動を全関節で行う。 お風呂やプールなど体重や重力の負担が少ない状況での運動を行うなど。(1日1回以上)
※医師や理学療法士の指導の下で行う理学療法は、リハビリテーション療法を参照してください。
日常生活指導
関節リウマチは患者さんの生活と密接に関わっています。患者さんが生活をコントロールすることで、症状を軽減し、病気の進行を抑制し、遅らせることがある程度期待できます。日常生活指導には次のようなものがあります。
食事について:糖尿病や高血圧などの合併症がない限り、食事制限はありません。たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどのバランスのとれた食事を心がけることが大切です。肥満は関節への負担が増すので注意す る必要があります。
温度調整について:できるだけ関節を冷やさないよう、冷房の当たる場所などでは膝掛けを利用するなど、工夫が必要です。
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