ひざ関節の保護機能
膝関節は、体の中でも人間の動作に深く関わり、繰り返し使用する部位です。膝関節には、体を安定させたり、関節内で起こる摩擦や衝撃のダメージを減らすための優れた機能が備わっています。膝関節内の骨の表面は、それぞれ軟骨と呼ばれる水分の多いクッションのようなもので覆われていて関節が滑らかに動くようにできています。また、脛骨と大腿骨の間には半月板という柔らかい組織があり、2つの骨の軟骨への衝撃が吸収されるようになっています。さらに、膝関節は関節包という袋に包まれ、その中は関節液と呼ばれる液体で満たされています。関節液は、関節を滑らかに動かす潤滑油の役割を果たすと共に、軟骨に酸素や栄養を与えています。
関節包(ほう)
大切な関節を外界から保護するために、関節は関節包という柔軟性のある袋状の組織にすっぽりと包まれています。
滑膜(かつまく)/滑液(かつえき)
関節包の内側の薄い組織が滑膜です。
滑膜は滑液を作り出します。作り出された滑液は、関節包の中で潤滑油じゅんかつゆの役目を果たし、さらに軟骨なんこつの栄養にもなります。一般に「膝に水がたまる」とは、炎症えんしょう等でこの滑液が異常に増えてしまった状態のことをいいます。
軟骨(なんこつ)
大腿骨と脛骨、膝蓋骨の3つの骨の表面は弾力のある軟骨で覆われています。
軟骨はコラーゲン(繊維組織)、水、プロテオグリカンで出来ている保護組織です。
関節は軟骨どうしが向き合っていて動きますが、この軟骨の間に関節液が入ると、アイススケートよりも摩擦のない状態で動きます。この作用で軟骨はすり切れないようになっています。
半月板(はんげつばん)
関節包の中、大腿骨と脛骨の間にはクッションの役目をする2つの半月板(内側半月板、外側半月板)が存在します。半月板は関節に加わる衝撃を吸収して軟骨を守り、さらに膝関節の安定性を高めています。
靭帯(じんたい)
大腿骨と脛骨がグラグラしないよう、2つの骨は靭帯でつながれています。
膝関節の両側面にある靭帯を側副(そくふく)靭帯といいます。
膝関節の真ん中には前十字靭帯と後十字靭帯があります。