入院から退院まで

術前説明

インフォームドコンセント

医師からインフォームドコンセントと呼ばれる術前説明があります。

入院と手術の準備

手術の前に、必要な検査を受けます。服用しているお薬があれば必ず病院のスタッフに伝えてください。血を固まりにくくするお薬は、一時的に服用を中止していただくことがあります。
手術を安全に行えることが確認されたら、入院のための準備品などの説明を受けます。

入院から退院までの一般的な流れを記載していますが、施設によって内容や呼び名が変わります。

入　院

糖尿病など既往の病気をお持ちの方は手術前日より早く入院が必要となる場合もありますが、一般には手術前日に入院となることが多いようです。入院の日取りについては医師にご確認ください。

手術準備

当日は手術用の着衣に着がえ、腕に小さなチューブ（静脈ライン）を挿入します。このチューブは、手術中に抗生物質やその他のお薬を投与するために使います。

麻　酔

手術室に入ると麻酔が施されます。麻酔には全身麻酔と局所麻酔があります。麻酔が十分に効いてきたら、消毒液を使って患部を消毒します。

手術開始

足関節の中に人工関節を入れるため、皮膚を切開します。

損傷骨の切除

骨が見える状態になったら、専用の器具を使って損傷のある部分を取り除き、人工関節に合わせて骨の形を整えます。

人工関節の固定

骨の切除が終わると人工関節を骨に固定します。足が良い状態で機能するように、足のまわりにある靱帯も調整する場合があります。

縫　合

医師は人工関節がしっかりと固定され、十分に機能することを確かめてから、切開した部分を縫合します。

手術終了

手術した足にたまった血液を外へ流し出すために、専用の排液管（ドレーン）を傷⼝に挿⼊する場合もあります。その後、傷口を滅菌ガーゼでおおい、包帯を巻いて帰室します。
片足の人工足関節置換術にかかる時間はおよそ2～3時間で、患者さんの手術後の状態によって変わります。

手術後

全身麻酔で手術をした場合、麻酔が覚めてくるとゆっくりと意識が回復してきます。看護師が適宜、血圧や体温、足の動きなどをチェックします。また、手術直後の痛みを取り除くため、痛み止めのお薬を投与しますが、痛みがひどい場合は再度局所的な麻酔を使用することもあります。

リハビリテーション

理学療法士の指導のもとリハビリテーションを行います。

退院

回復が十分であると医師が判断したら、退院することができます。具体的には、安定した歩行、階段昇降ができ、トイレ、入浴などをご自身ひとりでできるようになることが退院の条件となります。

輸血について

手術後に輸血を必要とする可能性があります。
必要に応じて、手術の前に自分の血液を採っておき、手術後に輸血する方法（自己血輸血）や、手術中に出血した血液を専用の装置でろ過して体内に戻す方法（回収血輸血）などをとる場合もあります。