ホームエクササイズ
人工股関節置換術を受けられた後、ご自宅に戻ってから実践できるホームエクササイズの一例をご紹介します。
ホームエクササイズは人工関節を支える周辺の筋肉を強化し、活動性の向上を目的として行います。どのエクササイズがご自分に適しているか、どのくらいの長さや回数で行うべきか、担当の医師または理学療法士にご相談ください。また、新しい関節を保護するために、必ずイラストの通りに行うよう注意してください。万一、トレーニング中に痛みや不快感があるときは、エクササイズを中止してください。
1. ふくらはぎの筋力を鍛えるエクササイズ
脚と腕をまっすぐ伸ばして仰向けに横たわり、おなかの筋肉(腹筋)に力を入れます。爪先を体の方向に動かして、かかとを床に押し付けます。緊張させた状態を何秒間か続け、力を抜きます。
2. 伸筋を鍛えるエクササイズ
脚と腕をまっすぐ伸ばして楽な姿勢で仰向けに横たわり、おなかの筋肉(腹筋)に力を入れます。膝の裏の窪みをマットに押し付けて、爪先を体の方向に動かします。緊張させた状態をしばらく続け、力を抜きます。
3. おしりの筋肉(臀部筋)を鍛えるエクササイズ
仰向けに横たわります。脚と腕をまっすぐに伸ばして、おなかの筋肉(腹筋)に力を入れます。膝はまっすぐの状態で、爪先を体の方向に動かします。おしりの筋肉(臀部筋)を何秒間か緊張させて、力を抜きます。
4. 股関節を曲げるエクササイズ
何かスライドする物(例えばタオル)を手術した脚の下に敷きます。かかとをそれに押し付け膝を曲げ、臀部の方向に引きながら、手術した脚を体の中央に向けて引きます。その間、爪先は上に向けます。この姿勢をしばらく続け、それから足を元の位置に戻します。
5. 太ももの外側(外転筋)を鍛えるエクササイズ
脚を伸ばして仰向けに横たわります。何かスライドする物(例えばタオル)を手術した脚の先の部分に敷きます。爪先を天井に向けます。脚を少し横に動かして、ゆっくりと元に戻します。この時、両膝が触れないようにします。
6. 仰向けで太ももの筋肉を鍛えるエクササイズ
仰向けに横たわり、手術した脚を少し曲げます。そして曲げた膝を体の中央に向けて引きつけ(最高角度は90°)、この姿勢をしばらく保ちます。曲げた脚をゆっくりと下ろします。このエクササイズの間、健康な脚は床の上にまっすぐに伸ばしたままで、爪先は上に向けておきます。
7. 枕を使って、太ももの外側(外転筋)を鍛えるエクササイズ
健康な脚を下にして、楽な姿勢で横になります。枕を脚の間にはさみます。健康な膝を曲げ、頭の下の腕を曲げ、頭をその上に横たえます。そして手術した脚を上にあげ、しばらくこの姿勢を続け、元の位置に戻します。上げている間、脚はまっすぐ伸ばしたままにして下さい。爪先を伸ばさずに、足を床と平行にしないようにしましょう。
8. 脚を曲げた状態で太ももの外側(外転筋)を鍛えるエクササイズ
健康な脚を下にして、楽な姿勢で横になります。枕を脚の間にはさみ、両膝を曲げます。手術した脚を天井に向けてゆっくりと上げ、緊張させた状態をしばらく続け、それから脚をゆっくりと元の位置に戻します。爪先を伸ばさずに、膝を前に向けないようにしましょう。
9. 立った状態で太ももの外側(外転筋)を鍛えるエクササイズ
安定した物を床に置いて、健康な脚でその上に立ちます。手術した脚が床に着かないように、体が少し浮いた状態でなければなりません。例えば椅子の背もたれなどをつかんで、体を支えて下さい。手術した脚を体から離すように動かして、また戻します。脚はまっすぐの状態で、爪先を伸ばさないようにしましょう。
10. 立った状態で股関節を伸ばすエクササイズ
椅子の後ろに立って、両手で背もたれをつかみます。健康な脚に体重をシフトします。 手術した脚をまっ椅子の後ろに立って、両手で背もたれをつかみます。健康な脚に体重をシフトします。手術した脚をまっすぐにした状態で後方にゆっくりと動かして、また元に戻します。このエクササイズをする間は、上体をまっすぐに保ちましょう。
11. 立った状態で膝関節を曲げるエクササイズ
椅子の後ろに立って、両手で背もたれをつかみます。膝を少し曲げて、脚を上にあげます。緊張させた状態をしばらく保ってから、ゆっくりと脚を下げます。膝は前方に向けて、足は床に平行に保つようにしましょう。
12. うつむけで太ももの筋肉を鍛えるエクササイズ
脚はまっすぐ、腕も頭上まっすぐに伸ばして、うつむけに寝そべります。手術した脚の膝を曲げます。膝を曲げた状態で、太ももを天井の方向に上げます。この姿勢をしばらく保ちます。膝を曲げた状態で、脚をゆっくりと床に戻します。最後に脚をまっすぐにして、初めの位置に戻します。しばらく力を抜いてから、エクササイズを繰り返します。
13. 膝関節と股関節を伸ばすエクササイズ
背中が反らないようにお腹の下に枕を置いて、うつむけに寝そべります。腕を頭上まっすぐに伸ばします。筒状の枕を足の下に置いて、爪先を床の方向に向けます。膝の裏を天井に向けて、膝を床から上げます。太ももに緊張を感じるまで、脚をまっすぐの状態で上げます。この姿勢をしばらく保った後、力を抜いて、脚を筒状の枕まで戻します。
ページの先頭へもどる
PageTop