人工関節コラム

コラム 16
膝のお皿の部分だけを人工関節に

人工膝関節置換術は、おもに変形性膝関節症などで変形してしまった膝関節の表面を取り除き、人工関節に置き換える手術方法です。変形性膝関節症は時間が経つにつれ、少しずつ悪化する慢性疾患ですので、人工膝関節置換術の適応となる患者さんでも、治療を受ける時期によって、症状のごく軽い方から重症な方までに分かれます。そのため、症状の比較的軽いうちには、一般的な人工膝関節全置換術(TKA)とは異なる人工関節や術法が用いられることもあります。

そのうちの代表的なものが、コラム 14で紹介した、膝の片側を人工関節に置き換える「人工膝関節部分置換術(UKA)」です。今回は、さらに部分的な置換を可能とする、膝蓋大腿関節置換術(PFA:Patello-Femoral Arthroplasty)を取り上げたいと思います。膝蓋大腿関節置換術は、膝の中央にある膝蓋大腿部(いわゆる、膝のお皿の部分)のみを専用の小さな人工関節に置き換える手術です。

人工膝関節部分置換術

部分置換術と膝蓋大腿関節置換術 前後のレントゲン写真

人工膝関節部分置換術

膝蓋大腿関節置換術の利点と適用の目安

膝蓋大腿関節置換術も、人工膝関節部分置換術同様、全置換術と比べて骨の切除量が少なく、手術の傷跡も小さくてすみます。また、膝関節内の靭帯を温存することができるなど、身体への負担を軽減してスムーズなリハビリテーションや早期の回復をはかることも期待できます。

適用の目安

膝蓋骨(膝のお皿の部分)と大腿骨との間の軟骨が消失しているが、他の部分の軟骨は残っており、特に65歳以上の方であれば、この手術に適応しているといえます。

膝蓋大腿関節置換術は、患者さんの容態や症状によっては行えない場合があります。膝蓋大腿関節置換術を希望される場合には、適応や効果、リスクについて、担当の医師と十分に話しあってください。

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